
Make Up City / Casiopea / Release 1980年11月21日
1980年11月21日発売のアルバムMake Up City。
アルバム1曲目、レコードに針を落として最初に聴こえてくるピックアップフィルイン。
「ウラカドン!」
(ウはアウフタクトでかつ無音だが、自分的にはGraceNoteもしくはブレス的なものを感じてそう書きたくなる)
TOCHIKA / 渡辺香津美のアルバム1曲目Liquid Fingerも、Steve Jordanの「ドンツタタッドン」というピックアップフィルから始まるが、ターンテーブルの針を落とした瞬間に聴こえてきた瞬間に「当たりだ!」とはよく感じていた。
このウラカドンなフィルインを、一体何万回聞いただろうか。
レコードの針を落とす、ダビングしたテープをかける、後にMDで、CDで、mp3で、AIFFで、Apple LossLessで…。
さて、このフレーズはどうなっているのか。
1 e & da ,2 e & da ,3 e & (ウ),ラカドン)てな感じで、これはイントロ頭の手前、4拍目からのピックアップフィルの形になっている。
16単位で見てみると 「スネアフラム+アクセント+タム+ゴースト」であろうか。
ラカドンというより、ツァラドン、ツァカドンというところか。このアルバムは、アルファレコードで初めてデジタルレコーダーを使ったという話なのだが、結構コンプレッサー的な処理が強いように感じる。最初のスネアが結構立ち上がりが早く、8分裏のタムは案外小さい。なので、最初は「ウラカトゥク!」かと思っていた。
が、このアルバムの前、1980.05.15 に放送された「FM Sound Approach」というスタジオライブ版では、ツァラドンを炸裂している。
ちなみに、Lesson 25というRudimentsを使ったSteve Gaddのフィルインフレーズがある。「llRLR」llは32分のドラッグで、神保氏は、後にSwearという曲のピックアップなどでも、これの応用的な「llRLRll」を使うようになって、Gypsy Windのピックアップも、1981.03.15 DENON LIVE Concertなどでは、こちらになっていたりもする。ちなみにこの感じのフィルは、さらに発展していって、神保流の流れるようなメロディックフレーズにも展開していく。これについてはまた。
さて問題は、当時のこのフレーズの手順だ。ツァカは、rL Rなのか、lR Lなのか。その後にタムにいっていて、おそらくこれは当時のセッティングの12か13のタムであろう。 前述の05.15のスタジオライブでは、このタムの音は結構低く聴こえる。ということは、まぁ右手でタムにいって、16分音符4つ目は左手でゴーストであろうか。
当時の神保氏の演奏をいろいろと聴いていた感じからすると、左手装飾音符、右手本音符な「lR」から始まるのは、ちょっと意外な感じがある。無論、フラムのスタートなぞどちらも習得されていたに違いないが、当時のスネア低めのセッティングで、フレンチグリップ気味でリムショットの時はやや下に押す感じもあり、いわゆる「lRL rLR」に見られるup & Down(手首の動きのそれではなく)的なものがイメージしにくい。まぁこのあたりは勝手な想像である。
もはや当時から40年以上経っているが、このあたりを解明しようという気持ちはもはや無くなっている。それよりも、1982年10月号がリットーミュージック/リズム&ドラムマガジンの創刊であり、ようやくRudimentsみたいなものが日本にも知られていくであろうあの当時、神保氏は高校時代にCTIレーベルが好きだったという話も聴くし、やはりSteve Gaddの演奏にかなり影響されているということで、ああいったフレーズを、どういう解釈で「ここで使う」としていたのかとか、その際に「自分がやるならこの感じ」みたいな落とし所はどう感じていたのだろうとか。当時は完全なる正解を映像で見ることは少ない時代だったからこそ、真似した後は自分のものにしていくプロセスが多くのドラマーにあったのでは、なんてこれまた勝手に考えてみたりで、正解がわからないほうが魅力がいつまでも続く、みたいなところがあるようなないような。
それにしても、あのアルバムのスネアの音は、当時フュージョンドラム小僧が「良い音」としていたヤマハの音って感じだなぁと。あれはやっぱりJade Greenの5.5、まだエッジも茶色で塗られていたころなのかしら。
このブログは、どうやら譜面を付けた方が早そうでもある。
さてこの調子で取り上げていくと、この曲のイントロ8小節、2小節ごとに出てくるフィルインすべてについて書かねば気が済まない。そして、イントロのリフに対するシンバルのキメ方、このときのバスドラムのニュアンスなど、これまた特徴があって、こうした「若き神保フィーリング」に満ち満ちているアルバムだなと、サブディバイズ全盛からの変革期に突入しつつある現在においても、そう感じてしまうのであった。
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